日系&多国籍企業7社経験した私が痛感した「フィードバックの技術」

外資企業で働くためのフィードバック技術を解説した記事のアイキャッチ画像 自己成長・ノート(Mind / Notes)
多国籍企業で必須となるフィードバックの考え方をまとめた記事です。

日系と外資系企業7社で働いてきた中で、私が最も苦労したのが「フィードバックの伝え方」でした。

国籍もバックグラウンドも仕事観も違う人たちと働くと、
「普通に伝えたつもり」が相手には攻撃されたと受け取られることが本当に多いのです。

今日は、令和の社会人として生き残るために欠かせないスキル・ビジネスマナーでもある「フィードバック」について、
私が実際に遭遇したトラブルと、
そこから得た学び、そして役に立った1冊の本について紹介したいと思います。

会社にはいろんなタイプの人が共存している

外資・日系企業問わず、職場にはこんな人がいます。

  • フワっとした指示で動ける人
  • 相手の立場に立ってホウレンソウできる人
  • 見切り発車で報告ゼロの人
  • 1から10まで手順化しないと動けない人
  • ドキュメントや指示内容の粗を探しては「間違ってる」と指摘しただけで止まるタイプ

もう、人のデパート状態です。
だからこそ、耳が痛い指摘をしなければならない場面も多々あります。

ですが、普通に指摘をしただけなのに
攻撃された!
と受け取ってしまう人も一定数います。

これが難しいところです。

私が実際に遭遇した「自己防御スイッチが入りやすい同僚」

それはアメリカ企業で働いていた時のことです。
社会人歴10年、専業主婦歴10年、というブランクのあった40代の新人の同僚がいました。

彼女は非常に繊細で、
指示をひとつづつかみ砕かないと動けない(超細かい指示を出さないと動けない)タイプでした。

例えば、ソフトウェア改修前後のスクリーンショットを撮るだけの簡単なタスクでも、

  • 仕様書を読めない
  • どこを見るのかがわからない
  • 少しでも不明点があると手が止まる
  • さらにドキュメントの粗を見つけると仕事が止まる

そこで私が仕様書を一緒に読み
「この画面の、このテキストが変わった証跡をとってください。」
と細かく伝える必要がありました。

ある日、彼女がスクリーンショットを取るだけの作業で勝手に23時まで残業して、
さらにやっていた作業が全部間違っていたという事件が発生。

私は冷静に、以下の点を伝えました。

  • 残業は不要だったこと
  • 時間がかかるなら早めに相談しましょう
  • 次回からは中途半端でも報告を早めにしてください

すると、どうでしょう。
私は指示通りにやった!何がいけないんだ!スクリーンショット100枚以上撮って手が疲れた!ひどい!と怒りのチャットの嵐でした。

それだけで飽き足りないのか、その日の夜0時近くに、私は悪くないと主張する長文のWordが、私と上司宛に送られてきました。

正直、涙が出るほどショックでした。

この経験で私はフィードバックに対して強烈に自己防衛するという人が確実に存在するという事実を痛感しました。

どれだけ丁寧に伝えても、
伝え方を間違えると攻撃されたと受け取られるのです。

フィードバックは「性格」ではなく「技術」で決まる

私はキャリアのスタートは平成中盤という平成育ちだったので、間違いを指摘されるときは

  • 頭ごなしに叱られる
  • メールで脅し文句みたいな注意の仕方をする
  • 横にいる上司が「こんなん提出すんなよ…」と独り言を言いながら怒る

という環境が普通でした。

だから、私がした事実だけを伝えるフィードバックは「優しいフィードバック」のつもりでした。それなのに、過剰に自己防衛をしてしまう人がいる。

この経験から痛感したのは、
フィードバックは優しい or 厳しいではなく、伝え方の構造化がすべてであること
フィードバックは好みではなく技術である、
ということです。

フィードバック迷子の私を救ったのが「フィードバック大全」

フィードバックに疲れ果てていた時、藁にも縋る気持ちで手に取ったのが、みんなのフィードバック大全 [ 三村真宗 ]です。

この本には、

  • 人がフィードバックに反発する心理的な理由
  • どのレベルの人にも通じる伝え方のフレームワーク
  • 感情をこじらせる相手との向き合い方
  • 職場の人間関係を壊さないための技術

が、体系的にまとまっています。

特に私が救われたのは、「コーチャビリティ=他者からの助言を聞き入れる能力」についてでした。

「馬を水辺に連れていくことはできても、水を飲ませることはできない」という格言の通り、フィードバックすることはできても、それを受け入れるかどうかは本人次第なのです。人生、あきらめも大切です。自分でコントロールできることに集中し、コントロールできないことには頭を悩ませすぎないようにしましょう。

この部分を読んで、過剰な自己防衛に走った同僚は、コーチャビリティが備わっていなかったのかもしれない、私だけが間違っていたわけではないのかもしれない。と救われた気持ちになりました。

「もっと早く知りたかった」
本気でそう思えた一冊です。

まとめ

日系企業だけでなく、多国籍企業で働いてきた私。
さらに7回も転職しているので、それぞれの会社では、文化も価値観も仕事の進め方も本当にバラバラです。

だからこそ、フィードバックの技術は自分のキャリアを守る武器になります。
また、フィードバック力=仕事のしやすさ x キャリアの安定性に直結します。

  • 部下指導で悩んでいる
  • 多国籍チームで働いている
  • フィードバックでよく誤解される
    上司や同僚との伝達で摩擦が起きやすい
  • 伝えても伝わらない人がいる
  • 伝えただけで攻撃されたといわれてしまう

そんな人にこの本を心からおすすめします。

あなたの仕事のストレスが確実に減ります。

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