45歳になり、サラリーマン生活も20年を超えました。
若い頃は、「仕事でも自分らしくいたい」と思っていました。
理不尽な上司に腹を立てたり、仕事をしない同僚にイライラしたり。「なんで私ばかりこんな思いをするんだ」と考えることもよくありました。
でも今は少し違います。
仕事中は「自分らしさを出す」よりも、「余計な感情を仕事に持ち込まない」ことを意識しています。
相手を変えようとするのではなく、相手の特性を理解して、自分がどう立ち回れば仕事が一番スムーズに進むかを考えるようになりました。
とはいえ、どんな職場にも「対応が難しい人」はいます。
探究心が強すぎる同僚
私の同僚Aさんも、その一人です。
彼は技術者としての経験が豊富で、知識も深く、とても優秀です。
ただ、その探究心が強すぎるあまり、一度疑問を持つと、周囲が仕事を進めたいタイミングでも徹底的に理由を追究します。
私はソフトウェア企業でコンサルタントをしています。
例えば、顧客からある機能について質問を受けたとします。
私は「顧客はこの点を懸念されています」と背景を共有するのですが、Aさんはそこで終わりません。
「でも、なぜそれを気にするんだろう?」
「本当に問題なの?」
「その懸念は合理的なの?」
顧客がすでに納得していても、Aさん自身が納得するまで議論が終わらないのです。
また、本来は顧客対応を担う立場でありながら、開発部門にソースコードを見せてもらったり、顧客のインフラ設計まで考え始めたりすることもあります。
もちろん、その姿勢自体は悪いことではありません。
むしろ、技術者としては非常に誠実なのだと思います。
ただ、私たちの仕事では、「正しい答えを追究すること」以上に、「顧客が必要としている回答を、必要なタイミングで届けること」が重要な場面も少なくありません。
だから私は、彼と仕事をするたびに疲れていました。
「面倒な人」はなぜ面倒なのか
そんなときに読んだのが、この本です。
『かかわると面倒くさい人』
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この本では、
- どうでもいいことにこだわってしまう人
- 話が長く、何を言いたいのか分からない人
- 小さなことを大きな問題にしてしまう人
など、さまざまなタイプの「面倒な人」が紹介されています。
面白かったのは、「どう対応するか」だけではなく、
その人は、なぜそういう行動を取るのか。
という背景まで掘り下げていることでした。
「困った人」と決めつけるのではなく、その人の思考や価値観を理解する。
そこが、この本の一番印象に残ったところです。
Aさんも、悪気があるわけではない
本を読んだあと、自分なりにAさんの行動を整理してみました。
すると、彼にはこんな背景があるのではないかと思うようになりました。
・過去に原因を深く追究したことで、大きな障害を未然に防げた成功体験がある。
・技術者として、「原因を突き止めること」そのものに大きなやりがいを感じている。
そう考えると、彼は私の仕事を邪魔したいわけではありません。
「正しいことをしたい」という気持ちが、とても強いだけなのです。
相手を理解したうえで、距離を取る
だからといって、自分が彼の探究心に付き合い続ける必要はありません。
以前は、彼が納得するまで説明しようとしていました。
でも今は違います。
「なるほど、そういう考え方もありますね。」
と一度受け止めた上で、
「今回は製品仕様として回答できれば十分だと思います。」
と、自分の考えを伝えて区切りをつけます。
相手を否定しない。
でも、必要以上に巻き込まれない。
この距離感が、自分には一番合っていました。
他人は変えられない
面倒な人に出会うと、
「関わりたくない。」
「適当にやり過ごそう。」
と思ってしまいがちです。
私もそうでした。
でも、この本を読んでからは、
「この人は、なぜこういう行動を取るのだろう。」
と考えるようになりました。
相手を理解したからといって、好きになれるとは限りません。
価値観が合わないこともあります。
それでも、相手を変えようとするより、自分の接し方を変えたほうが、仕事はずっと楽になります。
「他人は変えられない。変えられるのは自分だけ。」
よく聞く言葉ですが、その意味を改めて考えさせられた一冊でした。
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